【読書日記】 続・大きな約束 (椎名誠)
前編に続く、椎名誠の私小説シリーズの最新作文庫化。
取材、ラジオのパーソナリティ、執筆と忙しい生活を送るベストセラー作家の日常を、家族との関わりを軸に描く、という作法は前編と変わらないが、後編になるとアクティブさがやや薄れ、内面の描写が多くなる。
執筆活動が忙しくなり、取材などが少なくなったという物理的な要因もあるのだろうが、青森や北海道、あるいは小笠原諸島への取材の記述も比較的あっさりしているし、その際でも人との関わりよりは自分の心理を説明することに、より多くが割かれる。
米国で15年を過ごし、4人家族となった息子”岳”の帰国が決まり、「じいじい」としての生活が始まるということが、著者にとってそれなりの心理的変化をもたらしたのか、あるいは単に仕事が詰まったことが心理的圧迫感となったのか。あるいは小説の構成として後編と前編でリズムを変えたのか。
面白くないといっている訳ではなく、色々と想像させられるという意味で後編も興味深いのだが、エンタテインメントとして考えると、前編のスピード感が愉しい。私小説をエンタテインメントとして読むな!、と言われるとそれまでなのだが。
いずれにせよ、著者も今年で68歳。このペースでの活動を続けて欲しい気もするが、そろそろ「仕事」はセーブしても良いのでは、とも思う。元気な「じいじい」でいるという「約束」を守るためにも。
(集英社文庫)
取材、ラジオのパーソナリティ、執筆と忙しい生活を送るベストセラー作家の日常を、家族との関わりを軸に描く、という作法は前編と変わらないが、後編になるとアクティブさがやや薄れ、内面の描写が多くなる。
執筆活動が忙しくなり、取材などが少なくなったという物理的な要因もあるのだろうが、青森や北海道、あるいは小笠原諸島への取材の記述も比較的あっさりしているし、その際でも人との関わりよりは自分の心理を説明することに、より多くが割かれる。
米国で15年を過ごし、4人家族となった息子”岳”の帰国が決まり、「じいじい」としての生活が始まるということが、著者にとってそれなりの心理的変化をもたらしたのか、あるいは単に仕事が詰まったことが心理的圧迫感となったのか。あるいは小説の構成として後編と前編でリズムを変えたのか。
面白くないといっている訳ではなく、色々と想像させられるという意味で後編も興味深いのだが、エンタテインメントとして考えると、前編のスピード感が愉しい。私小説をエンタテインメントとして読むな!、と言われるとそれまでなのだが。
いずれにせよ、著者も今年で68歳。このペースでの活動を続けて欲しい気もするが、そろそろ「仕事」はセーブしても良いのでは、とも思う。元気な「じいじい」でいるという「約束」を守るためにも。
(集英社文庫)