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前国立局地研究所所長である地球物理学者による獄中、正確には容疑者として拘置所で過ごした170日間の記録。 逮捕容疑である詐欺罪に関する検察の不当捜査、それに対して物を申さない裁判所、そんな状況をわかりつつも国家へは楯突かないマスコミ、などに対しての怒りもそこここに見られるが、より印象的なのは拘置所の生活を非常に細かく記録していること。 毎日の食事(パンの長さまで!!)、日程、独房の広さ、窓の寸法、持ち込めるものの値段、流れるラジオなど、よくここまで細かくメモしたものだと驚く。加えて、自分の境遇を悲憤慷慨するわけでなく、「研究船に比べれば広いしゆれない」、「外国で逮捕されるよりずっと良い」、「三色昼寝付きだ」など、淡々と前向きに物事を捉えているところも、強い性格の持ち主なのだろうと思う。経験のなせるわざなのだろうか。 社会正義を振りかざした良くありがちな本にもなり得た題材を、あえて生活面に絞った作品にした、編集者のセンスにも感心した本。でも、自分は拘置所に入りたいとは思わないが。 (講談社文庫) |
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