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2008/12/02 22:21
ロシア現代政治の研究者による、「いま」のロシアの政治情勢の分析。大統領としての治世のあとも首相として権力の中枢に居続けるプーチン氏に関する描写が中心。
エリツィン元大統領から政権を引き継ぎ、おりからの資源市況上昇もあって経済の高成長を実現。その成長を背景に世界政治における存在感を大きなものにした、という大きな功績を上げたわけだが、一方でロシア国内における「民主化」の遅れと強権的な政治手法はしばしば西側から批判されてきた。
本書もその枠に位置するものと言える。プーチン与党による選挙の不正、官僚の増加と復権、グルジア情勢などを例にとった国勢拡大の動きなどを、ロシア市民へのインタビューや、国民から大統領への公開ホットラインの記録を使いながら、実例を挙げて示している。そういった例証を見ると、確かにロシアの状況はプーチン氏に依存しているし、西側の基準でいうところの民主政治が根付いているとは言いにくい。
ただ、これは政治家の問題なのか国民の問題なのか、難しい。国民が「頼れる政府」を求めている状況がしばらく続くとすれば、現在のロシアにおいては民主的な政府と政治が根付きにくいように思える。だからこそプーチンがうまく「はまった」のだろうし、彼自身もそれを理解して様々な行動や演出をしてきたのだろうと思う。
だからといって、それを「良い」とか「悪い」とか言っても仕方がないとも感ずる。付き合うのが楽な相手ではないが、彼らのルールを理解したうえで対応していかないと、結局こちらの利益は確保できない。考えてみると、このことはロシアに限ったことではなく、中国もそうだし他の国もそう。もしかすると日本もそんな風に見られているのかもしれない。
今回の金融混乱後に世界の権勢がどのように変化するかまだ定かではないが、米国流、あるいは欧米流の考え方や作法がその影響力を低下させる可能性もあり、そうなると自然に中国やロシア、ブラジルなどの思考法が重要になってくる。そんなことも意識しながら読んでいた。
(講談社現代新書)
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